ヤマハの無線LANアクセスポイント「WLX313」をコワーキングスペースに導入しました!


新宿区高田馬場にある新宿区立高田馬場創業支援センターコワーキングスペースCASE Shinjukuを運営しています有限会社そーほっとの田中健一朗です。

CASE Shinjukuでは2013年のオープン以来、業務用の機器でネットワークを構築し、通信品質が確保された快適なインターネット環境をご提供できるように努めてきました。

2017年1月にシェアオフィス側をリニューアルした際には、オープン時から利用していたネットワーク機器(ルーターや一部の無線LANアクセスポイントをヤマハ WLX402に変更)を入れ替え、更に高速なインターネット環境となりました。

そしてこの度、コワーキングスペース側でも、オープンから約4年半が経過し使用してきた無線LANアクセスポイント ヤマハ WLX302の動作が不安点になってきたことや、WLX302の「n規格」よりも通信の帯域幅が拡大する「ac規格」による高速化を実現するため、2018年5月に発売されたばかりのヤマハ WLX313に入れ替えを行いました。

ヤマハ WLX302
約4年半に渡りコワーキングスペースのインターネットを支えてくれたヤマハ WLX302。

コワーキングスペースの無線LANアクセスポイント設定で苦労していた点

CASE Shinjukuは駅近の雑居ビル内という立地のため、多くの無線LANアクセスポイントが混在しています。無線LANはそのチャンネルが他の無線LANと重なってしまうと、電波が干渉し通信スピードが大幅に低下します。

これまで、他の無線LANアクセスポイントのチャンネルと重ならないように設定してきましたが、増加する周辺の無線LANアクセスポイントには常々悩まされていました。

WIFI Explorerのスクリーンショット
CASE Shinjukuにおける無線LANの混雑状況。左側の2.4GHz帯は、まったく隙間がありません。

チャンネルが重なることを回避するには、多くの無線LANアクセスポイントが使用しているW52(36ch~48ch)ではなく、W53(52ch~64ch)およびW56(100ch~140ch)のチャンネルに設定することが有効です。

しかし、W53とW56は気象・航空レーダー波も使用しているチャンネルでもあるため、多くの無線LANアクセスポイントでは、それらを検出するとチャンネルを変更する仕様となっており、チャンネルを変更する際、一時的にネットワークとの接続が切れてしまうことが難点でした。

いかに高速であっても、意図せずネットワークとの接続が切れてしまうのでは、ユーザー体験を損なうことになるため、W53とW56については、慎重に設定を行ってきました。

なお、W52はそのようなことがないため、多くの無線LANアクセスポイントでは通信の安定性を考慮して、W52に設定がされています。故にチャンネルが重なってしまうという難点が、、、

さらにCASE Shinjukuでは合計5台の無線LANアクセスポイントを使用しているため、それらがお互いに干渉しないようにも気をつける必要がありました。

ヤマハのWLX313導入で密かに期待している「Fast DFS機能」

WLX313の箱。
WLX313の箱は業務用らしく、シンプルなデザイン。

今回導入したヤマハ WLX313には、新たに「Fast DFS機能」と呼ばれる機能が追加されました。

ヤマハのサイトによると、

5GHz帯の無線LANで、W53(52ch~64ch)およびW56(100ch~140ch)のチャンネルを使用している場合、気象・航空レーダー波を検出したときにはチャンネルを変更する必要があります。 
レーダー波と干渉しない、使用できるチャンネルを調べるためには最短でも60秒間かかるため、従来機種では60秒間通信が切断されていました。
この切断状態を避けるために、WLX313では5GHz(2) の無線モジュールを使用してチャンネルのスキャンを常に行うことでレーダー波に干渉しないチャンネルを把握し、レーダー波を検出したときにすぐにチャンネルを変更します。 
WLX313ではこの機能を「Fast DFS機能」と呼称しています。

ということです。

WLX313では、5GHzの無線モジュールを2つ搭載しており、通信は1つの無線モジュールで行い、もう1つの無線モジュールはレーダー波を感知した際に、切り替えるバックアップとして待機するようです。

そのため、「Fast DFS機能」をオンにしている場合、最大接続可能台数が100台となるとのこと(オフの場合は150台)。これまで使用してきたヤマハ WLX302の最大接続台数も100台だったので、「Fast DFS機能」をオンにして運用しても問題なさそうです。

他に設定していて気づいた注意点としては、「W52にチャンネルを設定する場合は、Fast DFS機能は意味がない(W53とW56の組み合わせの場合のみ、Fast DFSが設定できる)」ということです。

W52のチャンネルを含めることで、より安定した運用ができるかと考えていたのですが、勘違いだったようです。実際に設定してみると、商品ページを見ただけでは、わからなかったことが出てきます。このような気づきは、新製品設定の醍醐味ですね^^;

今後はFast DFS機能をうまく使い、干渉が少ないW53、W56のチャンネルでも安定的なインターネット環境を構築できそうです!

ヤマハのWLX313は、設置箇所によってアンテナで電波の指向性を変更可能

WLX313のもう一つの特徴は、これまでヤマハの無線LANアクセスポイントではなかった外部アンテナが取り付けられるようになったことです。

これにより電波の指向性を変更できるようになりました。(個人的には、ヤマハの無線LANアクセスポイントのすっきりした見た目が好みだったのですが 、、、)

ヤマハ WLX313
アンテナが特徴的な新製品のヤマハ WLX313。

説明書に記載されているのですが、

(1)外部アンテナなしの場合
これまでと同じで、製品の天板の方向に電波が飛ぶようです。
天井に設置する場合は、外部アンテナなしが推奨されています。

(2)外部アンテナありの場合
アンテナ軸を中心に同心円状に電波が飛ぶようです。
卓上や壁面に設置して、無線LANアクセスポイントの反対側にも電波を飛ばしたい場合などに外部アンテナの取り付けが推奨されています。

CASE Shinjukuのコワーキングスペースでは、無線LANアクセスポイントを天井に設置しているため、外部アンテナなしで設置しました。

ただし、壁面が多い個室オフィスのある5Fに設置した無線LANアクセスポイントは、出来るだけ電波が同心円状に広がるようにアンテナを取り付けています。

これまで5Fの無線LANアクセスポイントは、BuffaloのWAPM-1166Dを使用してきたのですが、ヤマハ WLX313に変更したから電波状況が良くなったとメンバーの方からも好評です。変更して良かったです!

ヤマハのWLX313導入で、気になるネットワークのスピードはどうなった!?

さて、肝心のスピードテストの結果です!

CASE Shinjukuのコワーキングスペースで、入れ替え前のヤマハ WLX302と入れ替え後のヤマハ WLX313で比較してみました。

スピードテストに使用したのは、OOKLAのiPhoneアプリです!

気になる結果はこちら!!

OOKLAのスピードテストの結果
OOKLAのスピードテストアプリで計測した左側がWLX302、右側がWLX313の結果。

圧倒的なWLX313!!圧勝です!!!!(当たり前ですが、、、)

3倍以上の数値となり、思っていた以上に高速な環境となりました!

ヤマハのWLX313、ファーストインプレッション

さて、ここまでヤマハ WLX313をご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。

これまでヤマハの無線LANアクセスポイントをWLX302WLX202WLX402WLX313と全ての機種を触ってきましたが、新しい製品ほどどんどん良くなっているイメージです。

コワーキングスペースの天井に設置したヤマハ WLX313。
コワーキングスペースの天井に設置したヤマハ WLX313。

WLX313では、初期のファームウェアもある程度こなれている印象です。WLX202の初期ファームはスピードがまったく出なくて、不良品かと思ったこともありました(その後のファームウェアで改善)が、WLX313では今のところ気になるバグらしいものはありません。

WLX313は、製造中止になったWLX302の後継機という位置づけのようですが、今後さらにファームウェアが洗練されて、無線LANアクセスポイントの名機になりそうな予感がします!

コワーキングスペースやシェアオフィス、会社のネットワークを管理されている方におすすめしたいです!!

以上、WLX313のファースト・インプレッションをお届けしました!
最後までお読みいただき、ありがとうございました!!


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