メンバーインタビュー Vol.9:Spencer – 日本語学校に通いながらソフトウェア開発者として働いた日々


Spencer Fricke さん

ウィスコンシン州出身。2年間、高田馬場にある日本語学校に通いながらアメリカの会社での仕事をしてCASE Shinjukuのコワーキングスペースをご利用いただきました。CASEには留学VISAで契約し、通っていた時期は2023年11月〜2024年5月ごろ。
インタビューは2024年12月に出張で3週間滞在している時に再び戻ってきてくれて、詳しくお話を伺うことができました。

まずは出身地と、日本にどのくらいの期間滞在しているかなどを教えてください。

アメリカのウィスコンシン州出身です。ウィスコンシン大学でコンビュータエンジニアリングを学んで卒業したあと、カリフォルニアで3年間働きました。

仕事を辞めて日本で日本語学校に通うことに決めたのは2022年のことです。ちょうどCovid19の影響があった頃に、時間がたくさんあったので集中して勉強しました。留学VISAで来日して、CASE Shinjuku のシェアスペースを借りて、学校帰りに勉強していたのです。高田馬場の日本語学校には2年間通いました。日本滞在の後半の時期は、学校と仕事を両立していました。

今はアメリカに住んでいますが、今回の訪日は3週間の予定です。仕事をするためにCASEを使っています。

― なぜ日本で日本語を勉強しようと思ったのですか?

新しい経験をしたかったから。アジアには行ったことなかったし。当時は一人暮らし、仕事ない、車もない、彼女もいない、失うものは何もなかった中で、新しい経験をしたかったんです。

― マンガが好きとか、そういう理由ではなかったのですね。

初めて東京に来た頃、日本のことは寿司くらいしか知らなかった。ポケモンが日本のアニメキャラクターだということすら知らなくて。

日本への出張の予定があって、それで選んだけれど本当に偶然です。もし出張先がドイツだったら、ドイツ語を選んだかもしれない。

なぜCASEを利用するようになったのですか?

― 日本語学校に通ったのは2年間ですが、CASEを使っていたのは7ヶ月間くらいでしたよね。

はい。最初の半年間は学生生活を楽しんでいましたが、その後働くことになり、渋谷のコワーキングスペースを使っていました。当時は渋谷に住んでいたので。しかしそこがクローズすることになり、しばらくの間あちこちのカフェを使っていたんです。でも、カフェで仕事するには、毎日座席を確保することを心配しなければならならなかった。

ちょうど引っ越しも考えていた時期だったので、「学校が高田馬場にあるんだから、高田馬場に住んで高田馬場のコワーキングを使えばいいよね」と思って検索したらCASEが出てきたんです。

同時に、中野とか吉祥寺、新宿など他のコワーキングも試してみました。1日ドロップインで。その結果、ここを使うようになった、というわけです。

― CASEに通うようになって、どうでしたか?

当時は、自宅と日本語学校とCASE、すべて徒歩圏内で電車に乗る必要はなく、毎日歩いて通っていました。

初めてここにきた時、この場所には「パーソナリティ」があるように感じました。この言葉が最もその時の気持ちを表現していると思うんだけど。

周囲に並べられた本、スタッフとの会話。雰囲気そのものが、私がコワーキングスペースに期待していた感覚だったのです。

― 金曜日のバータイムでお酒を飲みながら周囲の人とお話する会にも参加していますよね。

そうそう、バーの時間もいい感じ。ここでは、10周年記念イベントとか、クリスマス会とか。ユーザー同士が交流する機会があるのもいいよね。新しい人々と知り合うのは嬉しいことです。

クリスマス会でオタマトーンに挑戦
金曜の夜は仕事の後、お酒を飲みながらメンバー同士雑談する

今はどんな仕事をしているのですか?

半導体、GPU関連の仕事です。

もう少し説明すると、コンピュータにはチップが搭載されていて動作します。それらを製造しているのは、Nvidia、AMD、Qualcommなどハードウェアの会社。また、それらを利用するのはGoogle、Facebook、任天堂やソニーなどソフトウェアの会社です。

私が扱っているのは、ハードウェアとソフトウェアをつなぐ「ヴァルカン(Vulkan)」というものです。

※Vulkanは、GPU(グラフィックプロセッサ)を効率よく制御するためのAPI(アプリケーションプログラミングインターフェース)。

ひとつの問題を解決するために、エンジニアが10人いたら10通りの方法でやろうとします。それをバラバラに取り組むのではなく、最良の1つの方法で解決するのが私の仕事です。

― 最先端の仕事ですね!

今回、日本に来たのは、東京国際フォーラムで12月上旬に開催されたSIGGRAPH(シーグラフ)というコンピュータグラフィクスのカンファレンスに参加するためです。

会議に参加したあと、しばらく日本に滞在することにしたんですが、ずっと休暇をとるわけにもいかなかったので、ここCASEに通ってリモートワークしています。

会社は元々コロラド州にありましたが、コロナ騒動の頃に状況が変わり在宅勤務が可能になったのは、私にとっては幸運でした。おかげで日本に居ながら仕事ができます。

― リモートワークと出社について、どう思いますか?

大学を卒業したあと、私の最初の仕事はカリフォルニアで、そのオフィスは非常に快適でした。同僚と顔を合わせ、話をする。毎日オフィスに行くのが楽しみでした。居心地がよかった。

しかしコロナの頃に状況が変わり、リモートワークが可能になりました。私は先ほど話した通り、コワーキングスペースで働くことにしたのです。ここでは、靴を脱いでフロアにあがると、まるで家のように感じます。それと同時に、周りに働いている人がいて、あいさつしたり雑談してりできる点は、元のカリフォルニアのオフィスを思い出させます。

朝一番にここにくるのが好きなんです。いつも「おはよう」と日本語であいさつしています。

日本語学校に通いながらCASEにも通っていた頃の1日はどんな風に過ごしていましたか?

朝9時から12時まで、学校で授業。ランチにはお気に入りのカレー屋さんに行くことが多かったです。それから午後は、18時まで仕事します。学校とCASEは、歩いて数分で本当に近いので、高田馬場は徐々に私の裏庭となり、東京のお気に入りのエリアとなった。

高田馬場駅前の様子

仕事以外の時間は、どんなふうに過ごしましたか?地方に観光とか行きましたか?

もちろん東京はあちこち探検したけれど、それ以外だと北海道。札幌の雪まつりに行きました。あとは関西エリア。京都、奈良、大阪。高知にも行きましたし、富士山にも登りました。

日本でコワーキングスペースを探している人にアドバイスはありますか?

日本語を話すことができなくても、言語の壁について心配する必要はないですね。コワーキングスペースを借りるのは、とても安価で利用できますし、東京は公共交通が発達しているので、とても便利です。

しばらく滞在する予定があるなら、すぐにでもコワーキングスペースを使い始めてください。僕はカフェで仕事をしようとして、3ヶ月を無駄にしてしまったので。実際に利用して、あなたに合ったスペースを見つけるのが最良の方法です。

牛乳パックで作られた財布を愛用しているスペンサーさん

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