シェアオフィス&コワーキングスペース CASE Shinjuku のメンバーさんやパートナーさんのご紹介と合わせてこの機会にCASE Shinjukuについていろいろ聞いてみるという記事です。4回目の今回は、CASE Shinjukuの森下が、高田馬場で不動産屋さんを営み、「暮らしっく不動産」というオウンドメディアで情報発信、顧客獲得をされている、株式会社LINESMANの門傳義文さんに、不動産屋さん目線でシェアオフィスについて聞いてみたり、CASE Shinjukuも、この頃にわかに注力しているオウンドメディアについて聞いてみたりしました。。今回はそのVol.1「シェアオフィス」編です!
門傳義文さん プロフィール
【氏名】 門傳 義文さん
【社名・役職】株式会社LINESMAN 代表取締役
【略歴】
宅地建物取引主任士、ファイナンシャルプランナー2級
「不動産をわかりやすく伝える」をコンセプトに、不動産会社「株式会社LINESMAN」を設立。
不動産や暮らしの情報を分かりやすく伝える自社メディア「暮らしっく不動産」の掲載記事は現在1000記事を超え月間PVは30万PV以上。
相談者とともに悩み、考える住まい選びの “プロ”として活動している。
趣味はサッカーと音楽(ベーシスト)。ベースの教則本も執筆している。
【関連記事】
◆「暮らしっく不動産」記事より
「コワーキングスペースで仕事してみた」
「高田馬場の事務所物件の家賃相場」
「事務所物件48,000円で借りられる物件は?」
「コワーキングスペース、シェアオフィスってどうなの? CASE Shinjukuを借りて、普通の事務所と比べてみた。」
◆「新宿区立高田馬場創業支援センター」インタビュー記事より
「気になる!?オウンドメディア活用と効果の本当のところ。」イベントレポート(前編)
「気になる!?オウンドメディア活用と効果の本当のところ。」イベントレポート(後編)
Interview
率直にうかがいますが、不動産屋さん目線で“シェアオフィス”ってどうですか?
僕が不動産業界で仕事を始めたのは2010年で、当時は有楽町の不動産屋で働いていました。その頃、シェアオフィス、レンタルオフィス、バーチャルオフィス、いろいろ言い方はあったと思いますが、いずれもどちらかと言えば、あまりいい印象は持っていませんでした。まともに事務所を持たない、もしくはまともな事務所が持てない類いの人たちが使うところというイメージが強かったし、実際、悪いことをこっそりやりたい人が借りるというようなことがあったようですしね。
ですが最近は、かなり印象が変わってきました。CASE Shinjuku さんを知ったということもありますしね。
お! では不動産屋さんとしてオフィスを探している人にシェアオフィスも勧めることができますか?
これは本当にヨイショするわけではありませんが、お勧めできますよ。
許認可の関係で一般の物件のように不動産仲介というかたちでシェアオフィスを仲介することはできませんが、条件によってはシェアオフィスのほうが適しているケースがあると思います。
実は、オフィス選びは住居選びよりも難しい!?
実は、事務所や店舗物件は住居物件と比較すると「ハズレ」が多いんです。「ハズレ」って何かと言うと、公開されている情報だけでは分かりにくい部分、例えば契約条件や物件の運営状況にかなりの幅があるんです。それで契約後に思っていた通りに使えなくて業務に支障が生じるというようなことが実際に起こったりすることがあるんです。世界的にみても日本のビルの管理体制や共益費は不透明だと言われています。外資の参入がほとんどないのもそこに起因するんですけどね。と言うわけで、入居後に事務所や店舗として使いづらいことが起こるケースも多いんです。
とは言え、賃貸借契約に掛かる初期費用や引越し代、住所利用や登記のことを考えると、何か不都合なことがあってもなかなか転居しづらいじゃないですか。
付け加えると、住居や住宅の場合は契約上、借主のほうが守られているんです。オフィス物件は少し違うんです。例えば契約時には問題なかったけれど、退去の際に多額の費用を請求されるというケースもあります。実はオフィス物件選びは本当に難しいんです。結構ハズレもあるので気をつけなければならないんです。
そういう意味でも、創業時に中途半間な物件を選ぶくらいなら、シェアオフィスやコワーキングスペースのほうがいいと僕は思います。すごくいいと思っていますよ。本当に。弊社のブログサイト「暮らしっく不動産」で「事務所物件48,000円で借りられる物件は?」というタイトルで記事にもしましたが、だいたい創業期には10万円~15万円くらいの賃料でオフィスを探される方が多いんですが、ちょうどそのくらいでいいオフィス物件を探すのは本当に難しいんです。用途的に問題がなければ、まずはCASE Shinjukuさんのようなシェアオフィスやコワーキングスペースを使って、その次のステップで必要になった時に独立したオフィスにすることを考えると本当にいいと思います。
創業時のオフィス選びは、さらに難しい!?
特に創業時は、法人でも個人でも同じですが、これから始める事業を説明することが難しくて審査が通らないということがあります。当然、決算書もありませんから、事業計画書や通帳の貯金残高を見せることになるわけですが、審査が通るかどうかはオーナーさん次第だったりするんですよ。オーナーさん側に立って考えれば、どういう会社か、何をやる会社かということが、よく分からないところには貸したくないという心理も分かりますよね。極端に言えば「会社の名前を聞いたことがない」という理由で断られることもあるんです。
それから新しすぎるものは理解されにくいですね。先日、クラウドファンディングを絡めて物件を借りるという案件を扱ったんですけど、やっぱり審査が大変で、結局、物件は一旦、個人名義で借りるという方法に切り替えたというケースもありました。
資金的にも事業的にも何の問題がなくても、最終的にオーナー側のふんわりとした空気感で審査が通らないことも多いんです。そうなるとまた振り出しに戻ってしまいます。結果的に創業時の大切な時期に無駄な時間とエネルギーを費やすことになりかねないリスクがあるんです。そういう意味でも、シェアオフィスやコワーキングスペースで最初の2年くらい事業を回して2期分くらいの決算書で実績を示すことができるようになってからのほうが、いい物件が探しやすいんです。
自分たちの場所を確保して企業文化を育てるたい。だからオフィスを借りるべきという考え方もありますが。
その会社の考え方次第だと思います。なにが大事かというところですよね。何よりも事業を実行していくことが一番大事なので、その本質を考えて選択をするべきでしょうね。占有の自分たちの城的な場所があったほうがいい場合もあるでしょうが、もうそういう時代でもなくなって来ていると思います。カーシェアリングなどとも似ていると思いますね。これも「事務所物件48,000円で借りられる物件は?」で書きましたが、占有スペースでなく、シェアするスペースだから得られるメリットも大きいですよね。本質は何なのかをしっかり考えて選択するべきだと思います。家賃というのは、経理上は地代ですから経費なんですね。経費をどう使っていくのかというところの取捨選択とバランスだと思います。
CASE Shinjukuと同じ立地(高田馬場駅前)で3人で仕事をするとして会議室も必要という条件でお幾らくらいかかるでしょうか?
高田馬場エリアのオフィス物件の平均坪単価は1万円前後です。広さにもよりますが、例えば3人で使うとして会議室スペースも確保するとすると10坪程度の物件を10万円/月くらいで借りるという感じでしょうか。契約時に敷金や保証金として賃料の2~3ヶ月、礼金が1ヶ月、仲介手数料が1ヶ月、それから最近は連帯保証人の代わりに保証会社を通すケースが多くて、その場合、家賃の1ヶ月分が保証料としてかかります。それに前家賃を足すと10万円/月の物件を借りたとして賃貸借契約時に安く見積もっても60万円~70万円程度の初期費用が必要になります。
それだけの初期費用を払って契約をしたにも関わらず、条件が合わず1年足らずで退去することになる可能性があると考えるとリスクは高いですね。また東京の場合、2年に1度、更新料として賃料の1ヶ月分程度を負担しなければならない物件もあります。そういうところも加味して、一般のオフィス物件がいいのかシェアオフィスがいいのかを比較検討するといいと思いますね。
シェアオフィスは「ただの箱」じゃないことをオフィスを探している人に上手く伝えなくてはね。
これも、「コワーキングスペースで仕事してみた」で紹介させていただいたことですが、CASE Shinjukuさんの場合は、
・同業者などとの交流もあるため、刺激になる
・必要なものが一通り揃っているので、設備投資費がかからない
・自宅で働くよりも緊張感がある
など、一般の賃貸借物件にはない利点や美点がたくさんあるので、その当たりのことがオフィスを探している人たちに上手に伝わればいいですよね。
はい!
ではその「伝える」というテーマで「オウンドメディア編」へ…
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