きびだんご CASE Shinjuku いただき物語 その156


岡山県のおみやげをいただきました!
しかもかわいいのを2種類もー!
これらをくださったのは、いただき物語ではおなじみの Mikoshi Japan ,Inc. の戸田さんです。

きびだんご=桃太郎!?

パッケージにもデザインされているように、きびだんごと聞いてはじめに思い浮かぶのは、昔話の「桃太郎」ではないでしょうか。日本人なら知らない人はいないと言っても過言ではないと思うほど、超有名なお話です。
桃から生まれた桃太郎が青年になった頃、村を荒らす鬼に困っているという話が聞こえた。そこで桃太郎は、 「鬼退治に行く!」 と、鬼の住処である鬼ヶ島に向かうことに。その道中、腰に下げていたきびだんごを見つけた動物たちが「きびんだんごをひとつください。くれたら家来としてついて行きます!」と 次々寄ってくる。それならと猿、犬、キジをお供につれて鬼ヶ島へ行き、それぞれの特技を生かしていざ討伐…!というお話。でしたよね?

私も小さい頃にこの話を知り、動物たちが「家来になってもいいから!」と言うほど欲しがるきびだんごに、並々ならぬ興味を抱いたものです。
もちろん興味の内容は「きびだんごってそんなにおいしいの?」ということでした。

そもそもきびだんごってなんでしょう…?

きびだんごとは?

いちばん右にいるイヌがかわいい。

興味を持つのはとてもいいことですが、軽い気持ちで調べたら、とんでもない泥沼にハマっていくことってありますよね…
今、まさにソレでございます。
「きびだんご」を調べましたら、まぁまぁ難しいことになってしまっています。

まず、検索結果として「吉備団子」と「黍団子」ふたつのきびだんごが出てきます。
岡山県の地名である「吉備」と、穀物の「黍」です。

そう。一言で「きびだんご」と言っても、実は大きく分けて2種類あると言うのです。
長く生きてきましたが、初めて知った事実です。

「吉備団子」は、昔は材料に「黍」を使っていたらしいのですが、今はほとんど使っておらず、使っているとしても粉にした黍をまぶす程度。基本的な材料はお餅、いわゆる「求肥」だそうです。(白玉粉を使用しているところもあるそうですが)
たしかにおみやげでいただいたものも、求肥だけを丸めたお団子のようでした。
もちもちしていて程よい甘みが良く、おいしかったです。

バラエティなので「きなこきびだんご」「マスカットきびだんご」「きびだんご」が楽しめました!


一方「黍団子」は、その名の通り「黍」が材料に使われているそうです。
黍とはイネ科の穀物。炊きたてのモチ黍をすり鉢に入れてついたものは黄色い餅になり、それを丸めると「黍団子」になるそうです。黍自体は万葉集にも名前があるそうなので、相当昔から食生活の一部としてはあったようです。
現在、おみやげとしてはあまり流通していないようです。品質保持が難しいとかなのでしょうか…

とはいえ「吉備団子」も、元々は黍を材料の一部に使用していたので「黍団子」の一種ではあり、「吉備」と「黍」の語呂合わせから吉備団子と書かれるようになったいうお話があります。
岡山県のお土産としては「吉備団子」のほうが、イメージが良いのかもしれませんね。

で、どっちなの?

結局「吉備団子」と「黍団子」、桃太郎が持っていた「きびだんご」の正体はどっちなのか?

じつは意外と簡単に答えは出ました。
解決の糸口は「時代」です。

上記にあるように、黍自体は万葉集の時代にはすでにあったと考えられています。
そして、室町~戦国時代の公卿・山科言国(やましな ときくに)家の、家庭内の業務内容を記した『山科家礼記』 の、西暦1488年3月の記述には、すでに「黍團子」という表記がされているそうです。

一方、吉備団子はと言いますと、どうやら江戸時代末期、もしくは明治初期になって登場したとのこと。
西暦で言うと、1800年代の半ばから後半あたりでしょうか。
桃太郎の童話の発祥は、正確にいつ頃というのはわからないそうなのですが、室町時代末期から江戸時代初期頃には存在していたのでは?ということらしいです。
これらの事情から、桃太郎が持っていたのは、先に存在が認められている「黍団子」だったと思われます!

というわけで、ずっとずっと気になっていた「家来になってまでも食べたい」きびだんごは、今回いただいた「きびだんご」ではなかったという結果を得ることが出来ました。
求肥の「吉備団子」、これはこれでとても美味しいですが、さすがに家来になってまで…とは思えませんね。
くやしいので(笑)、今度は自分で「黍団子」を探してみようと思いました。

戸田さん、すてきなおみやげをありがとうございましたー!

「いただき物語」には、一つ一つの物語があって、そこから得られるたくさんの示唆があります。

きびだんご について

【画像 左側】
・バラエティきびだんご
・㈱中山昇陽堂
http://www.shoyodo.jp/item/variety/

【画像 右側】
・元祖きびだんご
・廣榮堂
http://www.koeido.co.jp/main.html

・いずれも岡山県内ギフトショップ、県外アンテナショップ、インターネット通販にて購入可能


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