メンバーインタビュー Vol.4 安川 要平さん(YassLab株式会社)


安川 要平さんプロフィール

YassLab (株) 代表取締役。一般社団法人 CoderDojo Japan 代表理事。未踏ジュニア PM。早稲田大学情報理工学科卒 (修士)。

米国留学中に開発した震災対策アプリのヒットを契機に、完全リモートワーク制の会社「YassLab」を創業。RailsチュートリアルやRailsガイドを開発し、大学/大学院の講義企業の社員研修などで採用される。

IPA認定未踏スーパークリエータ、TEDxRyukyuスピーカー、Developers Summit 2018 U-30 代表。全国に234ヶ所以上ある子どものためのプログラミング道場「CoderDojo」を日本で始めた1人であり、2016年より、一般社団法人「CoderDojo Japan」の代表理事。小中高生クリエータ支援プログラム『未踏ジュニア』の共同発起人。

1.現在の事業内容について教えてください

― まず、YassLab株式会社を中心に

「Railsチュートリアル」「Railsガイド」

安川

安川要平(以下、安川):  Webサービスを開発を作りながら学ぶための学習サービス「Railsチュートリアル」、実際のWebサービス開発で辞書的に使える「Railsガイド」を柱に、Web開発の学習を支援するサービスを運営しています。google.co.jpで「Rails」と検索すると上位に表示されると思うので、よければ試してみてください。

SEO、圧倒的な強さですね

安川

少なくとも今のGoogleの検索アルゴリズムで高く評価していただけているようで嬉しく思っています。

最初は英語の翻訳から始まった事業なのでしたね?

安川

はい、2014年から2015年くらいまではそうでしたが、現在はオリジナルな商品・サービスの割合が増えてきています。例えば解説動画電子書籍全文検索まとめ買いトレーニング機能などです。ひとことで言えば、Webサービスを開発する個人またはチームの学習を支援する事業といった感じですね。

安川

2021年からは「チーム向け研修支援サービス」をリリースしました。もともとは個人向けのサービスでしたが、ようやくチームでも使えるようになりました。個人向けのサービスが「チームでも使える」のではなく、「チームならではのスタイルで学べる」という価値を提供したかったので、大学・大学院などで3〜4年ほど試行錯誤し、現在の「トレーニング機能」などが生まれました。1人で手を動かしながら学ぶ時間ももちろん大切ですが、みんなで議論しながら学ぶこともできるサービスなので、ぜひ試してみていただけると嬉しいです。

なお、2021年にリリースしたばかりではありますが、既にGMOペパボさんやClassiさん、Sonic Gardenさんなどで幅広く採用されています。

― これからWebサービス開発を学ぶ人を幅広くカバーしている、と

安川

そうですね。もっと詳しく知りたいと思っていただけたら、ぜひ当社サイトから詳細をご確認ください!

非営利のプログラミング道場「CoderDojo」

安川

今までお話ししたYassLabの事業が本業で、仕事の時間の大半はそちらに割いていますが、これとは別に2つの非営利事業にも関わっています。

一つが、CoderDojoです。非営利の子どものためのプログラミング道場で、2011年にアイルランドで始まり、日本では、2012年に活動が始まっています。現在、世界では112カ国、2200以上の道場があり、日本では234以上の道場があります。

安川

僕は下北沢オープンソースカフェから始まった日本初のCoderDojoの立ち上げから関わらせていただきました。立ち上げ当初はまだ数も少なかったですが、CoderDojoの数が増えていくにつれて、法人とのお話も増えてきました。ただ当初は契約を交わす法人格、連携するメリットを数字で伝える統計情報、全国のCoderDojoを繋ぐネットワークなど課題が山積していて、それらを1つずつ解決してできあがった仕組みが一般社団法人CoderDojo Japanになります。現在は24社以上のパートナー法人がいて、個人だけでなく法人もCoderDojoコミュニティに関わりやすい状態になっています。

 

具体的な提携例を挙げると、Progateやポケモン・ウィズ・ユー財団などによる学習支援、Facebook JapanやGoogleなどによる活動支援、CygamesやTFabWorksなどによる機材支援などがあります。ありがたいことに2022年も既に複数の法人から打診をいただいており、実現に向けて準備を進めているところなので、ぜひお楽しみいただけると嬉しいです。もしご興味あればCoderDojo Japanの法人向けページをご参照ください。

CoderDojo Japan理事の宮島衣瑛さんと(フェイスブック ジャパンにて)

もう1つは、小中高生クリエータ支援プログラム「未踏ジュニア」

安川

もう一つの非営利事業が、小中高生クリエータによるプロダクト開発を支援するプログラム「未踏ジュニア」です。先ほどのCoderDojoのような活動が広まっていくにつれて、独創的なアイデアと卓越した技術で驚くようなプロダクトを作る小中高生も増えてきています。そういった方々を支援する取り組みが未踏ジュニアです。

2018年度からは毎年100件以上の応募があり、2021年度も14件のプロダクト開発を支援しました。未踏ジュニアを通してたくさんのプロダクト開発を支援していて、支援した各プロダクトは公式Webサイトからも一覧できるので、ぜひチェックしてみてください。2022年も3月頃に募集が始まる予定なので、気軽に応募してみていただけると嬉しいです。

2.創業しようと決めたきっかけは何ですか?

数多くのチャレンジ、「試して学ぶ」をひたすら繰り返す

- 学生時代から起業を志して?

安川

そうですね。僕自身も在学中からいろいろなプロダクトを開発していました。今も大して変わっていないですが、「まずはやってみる」「結果から学ぶ」「次を考える」というサイクルを当時から10年以上続けています。ただ在学中は就職活動などのタイムリミットも現実としてありますよね。なので1つの基準として「在学中にヒットしたと思えるプロダクトが1つも出せなかったら就職活動に専念する」と決めていました。

安川

4回目か5回目のチャレンジだったかなと思いますが、自分の人生で最初にヒットしたプロダクトが震災対策アプリでした。当時はアメリカに留学していて、その時に東日本大震災が起こったのですが、その日のうちに開発仲間の友人達と「何かできないか?」という話が広がり、開発を始め、翌日にはリリースしました。それが「ホイッスル on Android」というモバイルアプリで、スマホから音を出して「今自分がここに閉じ込められている」ということを周りに伝えるというものです。当時のスライド資料がまだ残っているので、もしご興味あればコチラをご参照ください。

そのプロダクト自体は事業にはなりませんが、その実績が別の仕事に繋がって、そこからさらに次の事業が立ち上がって…と、色々な事業を経て、現在は冒頭でお話ししたような事業に至っています。1つ目のプロダクトはたまたま当たったという感じもありますが、もしそれがなければ、今とはまた違った人生を歩んでいたかもしれないですね。詳しくはTOKYO創業ステーションのインタビュー記事もあるので、こちらもぜひ。

- 帰国後は?

安川

早稲田大学を休学して、さまざまなことにチャレンジしていました。個人事業主として開業したり、沖縄の会社と協力して教育事業を始めたり、下北沢オープンソースカフェの人達と一緒にCoderDojoを始めたり、シリコンバレーで次のプロダクトを開発したり、とかですね。そのときのプロダクトは、25歳未満を対象とする独立行政法人情報処理推進機構(IPA)の未踏事業に採択されています。残念ながらそのプロダクトもうまくはいかなったのですが、その実績が開発支援事業に繋がり、そこからRailsチュートリアルやRailsガイドが生まれ…と色々ありましたが、とにかく「試して学ぶ」の繰り返しですね。

- 「試して学ぶ」を繰り返してきたわけですね

安川

はい。とにかく、いろいろやってみる。で、上手くいったら続けてみる、育ててみる。上手くいかなかったら、それは「良いチャレンジだったね、Nice Tryだったね」と思って次に切り替える。冒頭でお話しした事業も、そういった数々のチャレンジの中から生まれたものです。なのでもし「どうしたら上手くいくのか?」と聞かれたときは、たくさん動くこと、たくさん試して学ぶこと、と答えることが多いです。

― 面白そうかなと思ったら、まずはやってみることが大事?

安川

そうですね。基本は「たくさん試してみること」だと思います。例えば複数のアイデアがあって、どれも一律で十分に小さな工数で試せるのだとしたら、サイコロで決めてしまっても良いかもしれないですね。もしかしたら、どれが良いのかを考えている「時間」の方が貴重かもしれないので。それに一度動き出してみれば「やってみて分かったこと」がたくさん見つかると思うので、その新しい情報が次のアクションのヒントになることもあります。

― 上手くいきそうなら、続けてみる

安川

そうですね。もし上手くいきそうなら、全体像を意識してみるのも良いかもしれません。例えばプログラミング学習で言えば「質問対応24時間、5分以内で回答」というサービスにはきっと需要があるんですよね。「深夜の質問にも5分で回答できます」みたいな。ただそれを実現するためには病院やコンビニのような夜勤の仕組み、コンピューターによる自動回答の仕組み、もしくは時差を利用した仕組みなどが必要そうです。いずれにせよコストを0円にするのは難しいと思うので、そうなると「どの程度の価格ならコストに見合うか」という全体像を考えておくと良さそうですよね。帳尻が合うような金額で試してみて、もしそれで関係者も顧客も満足するようであれば、それは価値のある仕組みになるかもしれません。

― 全体像も意識して、続けられるかどうかを検討するということですね

安川

はい、自分の場合はそうですね。あとは「自分自身がそれを続けたいかどうか」という気持ちも大事だと思います。例えば僕はRubyが好きで、教育事業の経験も多く、動画の収録や編集も苦ではありません。なのでRailsチュートリアルや解説動画は僕にとって続けられる仕事ではありますが、他の人にとってはツラい仕事かもしれません。なので、そういった自分自身の気持ちと向き合うことも「全体像」の中では大切かもしれませんね。

3.CASE Shinjukuを事業拠点にしようと思ったのはなぜですか?

立ち上げ当初から関わり続けることができた

― 安川さんとは、2013年11月のグランドオープン前の内覧会に来てくださって以来のご縁ですね

安川

はい。早稲田大学周辺で動くことが多かったので、高田馬場にコワーキングスペースができると知って、プレオープンの時に見学にきました。

 

自分で立ち上げて、それを育てていく、関わり続けるということが性に合っているので、ワークスペースも立ち上げ時期の「わちゃわちゃしている感」がある時からから関わっていくと、いろいろと面白いことが一緒に出来るかもしれないな、とは感じていましたね。

― 内覧会は、まだ工事中で、什器もほとんど置いていないという状態でした、わちゃわちゃ感満載(笑)

安川

「老舗で安定的に上手くいっているところに乗る」という戦略も良いと思います。一方で、僕の場合は「上手くいくかどう分からないけど、まずはやってみるぞ!」というところに乗り込むことが楽しいと思えるタイプだった。なので、たまたまCASEさんの立ち上げのタイミングと、自分の沖縄での事業立ち上げがひと区切りがついて「東京に戻って事業をやるぞ」と思った時のタイミングが近かったのは、運が良かったなと考えています。

― ありがとうございます!幸せな運命の出会いということで(笑)

内覧会当時のCASE Shinjuku (まだ工事中)

4. 今後の事業展開、ビジョンについて

これからも試して学び続ける。もっと早く

安川

まだまだ解決できていない課題も多いので、1つずつ着手していくことにはなるのかなと思います。一方で、立てた計画にこだわりすぎず、市場に合わせて柔軟に変更することもあるかなと思います。

また、会社の事業だけでなく、CoderDojoや未踏ジュニアの方でも新しいことを続けていく予定で、2022年も既にいくつかのプロジェクトが動いています。もし都合が合えばプレスリリースなどのタイミングを合わせて、高田馬場経済新聞さんにもご協力をお願いするかもしれません。そのときは、ぜひ。

そういう意味では、創業当時も今も、恐らくこれからも「試して学ぶ」というのは変わらないのかもしれませんね。

とはいえ「試して学ぶスピードを少しでも早くしたい」という思いはあるので、そういった「試行錯誤を早く回す」ことにはこだわっていきたいなと考えています。

5. 趣味・特技・自慢話

― 趣味や特技、ちょっとした自慢話などが、人と人がつながるコネクターになったり、趣味や特技が誰かの役に立ったり、仕事につながったりということがどうもあるような…という主旨で趣味、特技、自慢話をお伺いすることにしています

心身ともに安定した状態が、より良いパフォーマンスを生む

安川

趣味と言えるかどうか分かりませが、常に健康な状態を保っておきたいと思って、適切な運動と食事などにこだわっています。例えば加圧トレーニングに毎週通っていたり、栄養価を考えた食事を届けてくれるマッスルデリというサービスを利用したりですね。

 

新しいことをやっていると、1つ1つの小さな意思決定が、リリース直前になって響くことが多いなと感じています。「あのときココにも気を配っておけば良かった」とか、「あの質問にはこう回答すればよかったな」とか。そういった「ひらめき」みたいな気付きはあればあるほど良いと思うのですが、これは体調不良や寝不足などのときは中々気付かないんですよね。

 

なので、当たり前のことかなとは思いますが、運動と食事と睡眠ですね。より良い結果を出し続けるためにも、これからも自分の健康は大事にしたいなと考えています。

6. メンバーの皆さんへの呼び掛け

安川

高田馬場駅周辺によく出没していています。今回ご紹介した事業について何かご一緒できる場面があるかもしれない、もしくは「単純に興味がある」「詳しく聞きたい」などあれば、気軽にお声がけいただけると嬉しいです。YouTube ではさらに具体的な話を動画で公開しているので、よければぜひ遊びに来てください。

- 安川さん、ありがとうございます。また一緒にイベントなどが開催できるといいなと思っています!


この記事を書いた人

シェアオフィス&コワーキングスペース CASE Shinjuku

CASEには、背景、課題、事例、真実、箱などの意味があり、「様々な背景を持つ人たちが集まり、交流や出会いを得ることで、それぞれの課題を解決出来る空間」、「解決された課題を事例として蓄積し、真実に近づくことが出来る空間」という想いを込めています。

CASE Shinjuku Information

  • コワーキングスペース利用 1時間 : 500円 〜
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