ご指名もあり「コワーキングスペース運営者限定アドベントカレンダー Advent Calendar 2015」に参加して、リレー方式でコワーキング運営者が日替わりでブログを書くというものに参加。 昨日の「千葉コワーキングスペース201」の佐々木亜紀さんの記事「「こんなはずじゃなかったコワーキング運営」から引き継ぎました。
はじまりは、三鷹市SOHOパイロットオフィス
うっかり長く生きている私は、1998年12月1日にオープンした三鷹市SOHOパイロットオフィスから始まり、シェアするオフィスの受付という仕事をかれこれ17年もやっていることになります。(たぶん現役最長老!)
それはさておき、スケッチの左はコワーキングスペース(当時はコワーキングスペースという名詞はなく呼称はサロン)、右はシェアオフィス(当時はシェアオフィスという名詞も一般的ではなく呼称は入居ブース)。この仕様は、今、私が寝ている以外の時間のほとんどを費やしているCASE Shinjukuと瓜二つです。このことに気づいたのは半年くらい前…(^^;
「シェアするオフィス」の機能について
ということで、私はCASE Shinjuku(以下、CASEと呼びますね)のことは、「シェアするオフィス」だと思っていますという前置きをしたうえで、「シェアするオフィスについて」、今思っていることを書いてみます。
特定の場所を選ぶという行為は、個人の指向性と思考性に寄るところなので、集まる人たちは、どこか指向と思考が似ています。
CASEの場合、職種、国籍、性別、年齢その他の属性とは無関係に、ただ自然に「この空間が好ましい」と感じる人たちが居る空間ができあがってきたと感じます。その空間に相応しくない方は知らぬ間にいなくなっていたりします。空間がその方に相応しくない場合も同様です。また成長してその空間には納まりきらなくなって次の相応しい場所に移って行く人もいます。これはいずれもお互いにとって望ましいことです。
コワーキングスペースを語るときに、しばしば「コミュニティ」という言葉が使われます。前段のSOHOパイロットオフィスでは「長屋(ながや)」と言っていました。同義語です。
喫茶店やホテルに人が大勢いても、そこに「コミュニティがある」とは言いませんから、空間があって、核になるもの(物・者)があって、はじめてコミュニティができあがるということでしょうか。
私が夢見る「シェアするオフィス」は、おしゃれな喫茶店や素敵なホテルのようなものではなく、そこに人が交わる機能があることを前提にしているので、そういう意味では「コミュニティ」が形成された空間を目指しているように思います。
私が夢見る「シェアするオフィス」は、人が交わる機能付きです。多くのコワーキングスペースの運営者さんが同じ思いで毎日働いていらっしゃると思います。
では、その機能はなんのために必要なのか?
オフィスなのですから、当然、そこにいる皆さんの仕事がよくなるように機能するためにです。
例えば、「機能するシェアするオフィス」では、個々が持つ情報がシェアされ、個々が蓄積したナレッジが共有される。このことで、個が陳腐化することを防ぎ、個が課題を解決する速度を上げます。営業や協業といった直接的な関わりが生まれることもあります。
ではなぜ、皆さんの仕事がよくなるように願うのか?
関わった人には幸せになってほしいからです!
そして誰かのことを幸せにする人になってほしいからです!
そんな優しい人がいるCASEはいかがでしょうか~^^
でもでも、どんな場も、結局は使う人次第なのです。
社会経験ゼロの専業主婦だった私は、たまたま三鷹市SOHOパイロットオフィスというシェアするオフィスの受付のアルバイトをすることになりました。そこにいろんな人がやって来るのが楽しくて仕方なかった。みんな忙しそうだから、少しでも役に立ちたいと思った。できることは少なかったけど、当時の三鷹市の担当職員から鬱陶しがられるほど、いろいろ考えたし、ただのパートのおばちゃんなのにいろんなことを勝手にやってきた。
SOHOパイロットオフィスがシェアするオフィスとしてどこまで機能的だったかどうかということは別として、少なくとも私自身は、あのシェアするオフィスと出会って、そこに積極的に関わることで人生を変えた。気付いたらCASEというほぼ同じ仕様の新しいスペースをつくってそこで働いている。
大事なことは、自分自身がその場に対して「機能する自分であるか」ということなのだと思う。
貢献する人ほど得るものが多いのだ。
そのことが分かっている人との相乗効果がなくては、どんな場もただの空間にすぎない。
「幸せになってほし~」とか言いながら、「幸せになりたかったらキリキリ働けっ!」と思っている意地悪おばさんがいるCASEはいかがでしょうか~^^;
最後に大好きなお芝居の中から…
ああ人生自体がきちがいじみているとしたら、では一体、本当の狂気とは何か?
本当の狂気とは。夢におぼれて現実を見ないのも狂気かもしれぬ。
現実のみを追って夢を持たないのも狂気かもしれぬ。
だが、一番憎むべき狂気とは、
あるがままの人生に、
ただ折り合いをつけてしまって、
あるべき姿のために戦わないことだ。
(セルバンテス 「ラ・マンチャの男」より)
さて、明日のコワーキングスペース運営者限定アドベントカレンダー Advent Calendar 2015は、Hatch CoworkのMiki Sasayamaさんです。